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  留学体験談タイトル:ホストファミリー体験談/インダさんが我が家にやって来た
 
 
Indah Ilham(インダ・イルハム)さん
かつてはセレベス島と呼ばれていたインドネシア中部のスラウエシ島出身。2005年3月、高校2年生の時に来日。東京学芸大学附属高等学校大泉校の帰国子女クラスに編入。2006年2月に帰国。
 
 
 
 

宗教の違いを乗り越えて受け入れることを決めた

今回取材でお世話になったのは、東京都杉並区の上原さんのお宅。定年退職された学さん、牧子さん夫妻と、社会人のお嬢さん2人の4人家族。
家族全員英語が話せて、子ども2人は留学経験者。そんな上原さんのお宅に、インドネシアから来た留学生がホームステイしました。文化の壁を越えて、家族の一員として楽しく暮らす秘訣を紹介します。
東京に住む上原家では長女がアルゼンチンに、次女がアメリカに留学していたことがあり、ホームステイでお世話になった恩返しをいつかしたいと思っていた。奥さんの牧子さんが退職して家にいるようになったのを機会に留学生を受け入れようとAFSでホストファミリーの登録をした。
上原家に来ることになったのはインドネシアの高校2年生Indah Ilham(インダ・イルハム)さん。インダさんはイスラム教、上原家はカトリックなので最初は宗教の違いから断ろうと思ったが、これも自分たちの勉強になる、とホストファミリーとしてインダさんを迎え入れることにした。
インダさんのお母さんからきた手紙には、未熟児で生まれて食も細く、身体も小さいですが元気なので心配はありません、と書いてあった。「迎えに行ったらほんとに細くてちっちゃい子だったんですよ」と奥さんの牧子さんは笑う。
一方のインダさんは初めての日本に緊張して、2〜3日は不安で眠れなかった。牧子さんもインダさんがあまり食べないので心配だったが、学校へお弁当を持っていくようになって3日目、「インダが『お母さん、お弁当足りないから明日からふたつ作って』と言ったんですよ」と牧子さんはうれしそうに語る。
それからは食べ盛りの高校生らしく納豆以外は好き嫌いもなくしっかり食べるようになった。おかげで「日本に来た時よりも15キロも体重が増えました」とインダさん。
イスラム教では豚肉を食べないので、上原家でもベーコンやハム、ソーセージが一切食べられなくなり、最初は不自由を感じていたが、慣れてしまえば食べなくても平気になってしまったとのこと。「今では別に食べたいとも思わなくなったわね」と牧子さんは話す。

英語を使用禁止にして日本語中心の生活へ

牧子さんはインダさんを迎えに行ったときに「英語、大丈夫?」と聞いた。学校で教わるだけでなく、自分でも勉強していたインダさんはとてもきれいな英語を話す。「インドネシア語は私達わからないので、英語が話せる、と聞いてほっとしました」と牧子さん。
上原家は御主人の学さんをはじめ家族がみな英語を話すことができるので、初めの頃インダさんとは英語で会話していた。
インダさんが通うのは東京学芸大学附属高等学校大泉校。帰国子女のクラスなので先生も生徒も英語を話すし、海外経験のある子ばかりなのでインダさんにとってはラッキーだった。
学校では日本理解と日本語の授業を受けているが、最初の2か月は英語で授業が行われ、ストレスを感じることもなかった。日本理解、というのは海外生活が長い帰国子女に日本のことを教える授業で、最初は英語だけだったのが徐々に日本語の割合が増えて6月からは全面的に日本語になった。
この頃から上原家でも学さんと長女の提案で英語は一切禁止になり、インダさんは家でも日本語で話すことになった。インダさんの日本語の習得は早く、6月にはすでにひらがなもカタカナも読めるようになっていた。「漢字も好き。楽しいです」とインダさんは話す。

習慣や文化の違いを受け入れながらも叱るときにはきっちりと

イスラム教ではラマダンという断食があるが、その時期がバトミントンの部活や修学旅行と重なってしまう。お母さんに許可をもらい、休日だけすることにした。半分くらいしかできなかったので、足りない分は帰ってからやることになっている。
「ありがとう」と「ごめんなさい」を言わないことで牧子さんがインダさんを叱ったことがある。一方インダさんは日本人は「ごめんなさい」を言いすぎだと思っている。心からそう思って言うというよりも、習慣で言っているように感じている。でも日本にいる間はなるべく言うことにしようと決めて、最近ではスムーズに言えるようになってきた。
また、学さんからは食事のマナーについて厳しく指導された。茶碗や箸の持ち方を細かく教えられ、またひじをついて食べることも注意された。
こうした日本流のしつけはインダさんが日本に慣れてきた頃からされるようになった。
いざとなれば英語で話が通じる、というのはお互いに心強かった。上原家の場合、双方ともに状況には恵まれていたが、もちろんそれだけでうまくいったわけではない。
牧子さんは次女がアメリカに留学した時の経験から、インダさんにつらい思いをさせたくない、と、できるだけそのまま受け入れることを決心していた。文化も個性も違いを否定せずにまず受け入れる、そこから理解が始まるのだ、と。
「相手を思いやる気持ちが大切だと思います。話そうと努力しなければかわいそう。否定からは何も生まれません」と牧子さんは語る。

留学生の受け入れを考えている方へ  上原さんからアドバイス
相手を否定せず、丸ごと受け入れ

文化が違うのだからまず、相手を否定せずに受け入れること。そうしなければ何も始まらないと思います。相手を思いやる気持ちが大切で、話そうと努力しなければ否定からは何も生まれません。丸ごと受け入れてそこから理解が始まり、その上でだめなものはだめ、と伝えていけばよいのだと思います。

 

 







 
 
 
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